モロッコのタジン [編集]
鍋の形状 [編集]
一般にタワスという独特の皿に盛りつけられる。これはキプロス料理で使用される皿と同一の物である。伝統的なタジンポットは板ガラスをはめつけた部分と、塗装された外側の二つの部分から形成される。上の口にあたる部分は細く、底の部分は太くなっており、円錐かドーム型の形をしている。このような形状になっている理由は、円錐形の蓋の上部の狭い空間は対流が起こりにくく、温度が低い領域が得られるからである。食材から上がる水蒸気や、食材やハーブなどに含まれる揮発性の香りの成分が、冷たい蓋の上部で冷やされて結露し、再び水滴となって食材のもとへ戻るようになっている。これによって蓋と鍋の隙間にウォーターシールが形成されて密閉状態となり、料理の香りが飛ぶのを防いで風味を逃さない蒸し焼きに最適の条件が得られる。[1] また、蓋の下のほうだけ水蒸気の対流が発生するため、土鍋の熱を下部に集中させやすいという利点もある。
モロッコでは飲料水は非常に貴重だった。
そのような風土的要因から、食材の水分だけで調理できるタジンは作られたともいえ、一般的な家庭料理となっている。
高さのあるフタは、かさばる野菜を盛り上げても収めることができ、蒸すことで柔らかくなって見かけの量がかなり減るため、多くの野菜を食べられる。
加熱時に使用する水分が少ないため、水溶性のビタミンやミネラルが溶出する損失が少なく、熱の通りが良いので油の使用も控えられる。
そのヘルシーさが見直されて、現代人の間で人気が出てきている。
近年、ヨーロッパのメーカーが電子レンジでも加熱が可能なタジンポットを作成した。しかし家庭用ではダッチオーブンの方が蒸し物であるタジンに適している。
圧力鍋で時間を短縮して作られることも多い。
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